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14 Til I Die

消されるな、この想い

ゴリ押し

少し前に、小説「ビブリア古書堂の事件手帖」の主演が原作キャラクターのイメージと全く異なる剛力彩芽に決定し、悪い意味で話題になっておりました。黒髪ロングの清楚で物静かな雰囲気を纏った原作主人公・栞子に対し、剛力氏は茶髪ショートであり、演技力についても疑問符が浮かぶ所なので原作ファンが混乱するのも無理からぬ事だな、と他人事のようにこの騒動を眺めていた私ですが、そういえば9年位前に自分も似たような事で騒いだ事があったな、と思い出しました。
以下は、2004年1月7日に書いたテキスト。

「ファイアーボーイズ~め組の大吾~」を観る。
 原作をリアルタイムで読んでいた人間としては、何か色々と首をかしげる点が多かったのですが、 ドラマとしてはまあ普通なのではなかったでしょうか。
 葛山信吾とかアニ(塚本高史)とか出てるので、キャスト的にはツボですし。
 ただ、あからさまに「ウォーターボーイズ」の後釜を狙ったようなタイトルにしてしまった所は、フジお得意のあざとさが見えすぎていて印象悪いんですが。
 あ、主題歌はウンコですね。
 まさかDragon Ashまでパクってしまうとは、流石だなお前ら。
 同バンドに1ミリの敬意も持っていない人間にまで気づかれるようなパクリ方はするなよ。
 いつもみたいに、大人しく洋楽パクッとけや。

 ・・・・・・ダークスミダさんにはここいらで退場してもらうとして。

 しかしまあ、「ブラックジャックによろしく」等がなまじヒットしてしまっただけに、漫画原作のドラマが随分と増えてしまいましたね。 試しに、今期のドラマで漫画原作のものを数えてみたら、だいたい7本位ありましたよ。
 まあ、確かに一昔前は漫画原作のドラマなんて、「アレンジされまくってもはや原型を留めていない昼ドラ」とか「役者とかは豪華なのにそれ以外のすべてがヘボイ超B級」くらいしかなかったわけで。 その時代と比べればドラマ自体のクオリティや脚本は格段に上がっていて、漫画の地位も上がったかもしれない、とは確かに思うんですよ。
 思うんですけど、やっぱり難しいなぁ、と思ってしまう所は多分に残っているわけで。

 例えば今回の「め組の大吾」。本来のヒロインは落合先生な訳ですが、それがすっかり脇に落ち着いて、もはや原形を留めていない連中がヒロイン候補という有り様。 何故そんな設定の変更が必要だったかと言えば、これは言うまでも無く「人気若手女優・売出し中の女優をヒロインとして売り込みたいから」という商業上の理由から以外には無いでしょう。
 先の「ブラックジャックによろしく」のSPにしたって、原作では「普通のおばさんが末期ガンに」というシチュエーションだったのが、「薬師丸ひろ子扮する主婦が末期ガンに」という形に改変されているし。

 キャスティングがTVドラマの重要要素である事は理解しているし、売出し中のタレントをおいしい役どころに据えたい、というのもよく分かる話だ。 だけれども、だからと言って原作をないがしろにしてよいと言う理は無い。
 かつて、高橋しんの「いいひと」がドラマ化された時にあまりに変わり果てた作品になってしまった為、作者側から「『原作』のクレジットをはずしてください」との要望が出たという。
 普通は、アニメ化にしてもドラマ化にしても、一旦GOサインを出してしまえば「原作者(プロ)がドラマ制作側(プロ)に仕事を任せる」という形になるわけだから、原作者は「監修」でも務めない限りノータッチが原則。
 だが、「プロにお任せします」という事は「好き勝手やってください」という意味ではなく、あくまで「その道のプロと信頼してお任せする」という意味であるはず。
 あくまで、原作ありきのドラマであって、ドラマ化することによって作品の価値が上がるわけではない。むしろ下がる事さえある。どうも、TVドラマ製作側がそこの所を勘違いしているのではないか、と感じる事がよくある。 否、有り過ぎる。
 作品を預かったからには、同一性保持に努めるのはプロとして最低レベルの仕事ではないだろうか。さもなくば、改変の必然性を示して欲しい。それすらも出来ないと言うのであれば、それはただの怠慢と自惚れに過ぎない。

 「め組の大吾」における改変の必要性――改変する事によってドラマとしての完成度が上がったかどうか――は、流石に第1話では全く見られなかった。
 現在の評価は、最初に挙げたように「普通」だが、これが上向くか下向くか、個人的にはそこの所にかかっている。
 原作を知らない人の評価も気になるところです。

 ――ああ、結局ダークスミダさんに乗り切られてしまった・・・・・・。

漫画と小説という元となった媒体の違いはありますが、原作付きテレビドラマにつきまとう問題は、今も昔もあまり変わっていないな、と。