14 Til I Die

消されるな、この想い

ミステリレビュー「占星術殺人事件」 著:島田荘司

占星術殺人事件 (講談社文庫)

占星術殺人事件 (講談社文庫)

御手洗潔シリーズ第一作。*1

 占星術に基づいた人体合成儀式と6体のバラバラ殺人死体。その裏に潜む真実に、占星術師・御手洗潔とその友人・石岡が迫る。
 メインのトリックは現代のミステリ読みには簡単すぎ、また某・漫画で丸ごと盗用されていたので既知の方も多いかもしれない。その点で言えば、今この時代においては十分に楽しむ事が出来ない作品かもしれない。だが、本作は「新本格」に至るまでの道筋を決定付けた作品であり、「ミステリ好き」を自称するのならば一度は読んでおく事をお奨めする。

評価:★★★☆☆

(初稿:2004/07/28)

*1:なお、作中時系列と作者の執筆順でいえば「異邦の騎士」の方が先なのだが、ここでは書籍として世に出た順番でもって第一作とした。