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14 Til I Die

消されるな、この想い

ミステリレビュー「斜め屋敷の犯罪」 著:島田荘司

斜め屋敷の犯罪 (講談社文庫)

斜め屋敷の犯罪 (講談社文庫)

 北海道の最北端に立つ洋館「流氷館」。建物全体が傾いて建っているという畸形の館の中で、奇怪極まりない密室殺人事件が起こる。その謎に、御手洗潔が挑む。
 所謂「館モノ」と呼ばれるミステリは数多く見られるが、本作は「館」という演出に更に「必然性」を加えた意欲作と言える。「奇妙な館で奇妙な事件が起きる」のではなく、「奇妙な館だからこそ奇妙な事件が起きる」という点が強調されたような構成になっており、ただの演出になりがちな「館」というものをまず中心に据えた、という点だけ見れば、本作は「館モノ」の最高傑作の一つと呼べるのかもしれない。

評価:★★★☆☆

(初稿:2004/08/21)