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14 Til I Die

消されるな、この想い

ミステリレビュー「動機」 著:横山秀夫

動機 (文春文庫)

動機 (文春文庫)

第53回日本推理作家協会賞受賞作(表題作)

 四編収録の短編集だが、表題作のみのレビューとする。
 「警察小説」に定評のある横山氏だが、本作もその例に違わず警察内部を中心に描いた作品。
 署内に保管されていた警察手帳30冊が紛失するという事件が発生、犯人は果たして内部の者かそれとも外部の者か。事件を巡り男たちのプライドがぶつかりあう……、と話の骨子はこのような感じ。
 特殊な環境を舞台にすると、どうしても偏った雰囲気に包まれがちだが、本作は読みやすさとディティールの確かさを巧くまとめてある。どこぞの刑事小説にも見習って欲しい所だ。
 よくまとまっているし、表題の指し示す所の「動機」についても心地良い驚きを得られた。が、短編にこういった事を望むのは贅沢かもしれないが、出来れば「心地よく騙され」たかった。そういった点で「面白い」以上の評価には達し得なかった。

評価:★★★☆☆

(初稿:2004/08/09)