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14 Til I Die

消されるな、この想い

ミステリレビュー「46番目の密室」 著:有栖川有栖

ミステリレビュー 有栖川有栖

46番目の密室 (講談社文庫)

46番目の密室 (講談社文庫)

 有栖川作品には人気を二分する二つのシリーズ作品が存在する。一つは、「月光ゲーム」を一作目とする大学生・有栖川有栖が主人公である「学生アリス」シリーズ。もう一つは、ミステリ作家・有栖川有栖と犯罪学者・火村英生が活躍する「作家アリス」シリーズであり、本作はそのシリーズに属する。
 さて、肝心の内容だが、表題にある「密室」に対する考察や拘りを期待していると少々肩透かしをくらう。「密室モノ」としてはごく普通の構成と言っても過言では無いだろう。
 全体の出来としては「推理小説」の良いお手本といえるレベル。が、惜しむらくは、新本格特有の、匂い立つようなミステリの雰囲気が殆んど感じられない所だろうか。良い意味でも悪い意味でも「お手本」止まりな作品であり、それは本作以降の「作家アリス」シリーズ全般に言えることなのだが……、詳細は各作品のレビューに譲る事にする。
評価:★★★☆☆
(初稿:2006/05/16)


余談だが、先日「作家アリス」シリーズを原作とするテレビドラマ「臨床犯罪学者 火村英生の推理 」の放送が開始された。イケメン若手俳優に火村とアリスを演じさせている点から見ても、内容は言わずもがな、といったところか。

角川ビーンズ文庫版の表紙からお察しいただきたい。