14 Til I Die

消されるな、この想い

本当に必要な事

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男子児童の無事を喜ぶ気持ちはみんな一緒なはずなのに、なぜか殺伐としてしまうブックマークコメント欄に何とも暗澹たる気持ちになります。
かくいう私も、

無事だったって「結果論」で「虐待」をうやむやにしようとしてる奴がいたらそれこそ下衆の極み。/しかし6日間小二が水だけで生存って俄に信じがたい。食料自力で確保したのかね?
http://b.hatena.ne.jp/entry/289240289/comment/sumida

というコメントを投下していて、名指しこそされていませんが一部の方からは「親叩き」の一派として認定されてしまっている節があります。もちろん、私自身にそういった意図は殆どありませんが……。

この事件の根幹にあるのは、「しつけ」と称して山中(山道近く)に7歳児を放置してしまったという虐待に近い行為と、「世間体を気にして」初動の段階で親が「はぐれた」と嘘を吐いた事にあります。*1
その行動の責任については、散々に晒し者になりバッシングされ、恐らくは警察にもある程度追及され、そして我が子の安否が分からぬ不安の数日を過ごしたという時点である程度贖われているものと考えられますし、刑事責任が発生するとしたらそれは司直の仕事でありまた別の話なので、テレビやwebを介して事件を見守っていた人間がとやかく言うべき事ではないでしょう。

ただ、一部のコメントにそもそもの「置き去り」行為を「虐待」と捉えていない、「しつけ」と「無事だった」という免罪符で事態を矮小化するようなニュアンスがあって、それは違うんじゃないかな? という意味を込めて私は上記コメントを投下しました。もし「万が一」の結果になっていた場合も同じことを言えるの? と。親の責任を追及しない事と、事件のあらましから教訓を得る事は矛盾しないはずですし。
例えは悪いですが、炎天下の車内に子供を放置して死なせるような親も、大概の場合それが「虐待」だとは思っていない訳です。「しつけ」と称してマンションのベランダに締め出された男児が転落した事件なんてものも過去にありました。

今回の事件、両親はここまでの大事になるとは全く思っていなかった事が言動の端々から窺えます。男子児童の悪戯に業を煮やしてちょっと怖がらせてやろう程度の思い付きだったのでしょう。
でも、冷静に考えてみれば、山道が近いとはいえ鬱蒼とした山林に――しかも季節柄クマも出没するような場所に――5分程度とは言え子供を置き去りにするという行為の危険性は明らかな訳で。「いなくなった振りをして近くで隠れて見守る」程度ならまだ理解出来ますが、本当に車で走り去られて、悪戯が過ぎるような気性の子供がどんな反応をするか、深く考えなくても分かる事でしょう。
どんな親だって*2、子供のどんな我儘や悪さを無制限に許せるものではありません。時に感情的になる事もあるでしょう。判断力が鈍る時もあるでしょう。そういった時に過ちを犯すリスクを減らす為には、何よりも「どこまでがセーフでどこからがアウトなのか」普段から考えを巡らせ、その基準を「我が事」として自分の骨の髄まで染み込ませておく事が必要なのではないでしょうか。完璧な人間などいないように、完璧な親などいないのですから。

*1:男児のご両親の弁が真実ならばという前提で語っています。

*2:子育ての話には限りませんが