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14 Til I Die

消されるな、この想い

ミステリレビュー「姑獲鳥の夏」 著:京極夏彦

ミステリレビュー 京極夏彦

文庫版 姑獲鳥の夏 (講談社文庫)

文庫版 姑獲鳥の夏 (講談社文庫)

京極夏彦のデビュー作。

 古本屋であり神主であり陰陽師であるという、異色の探偵中禅寺秋彦こと京極堂シリーズの第一作。
 まず、初見の方はその厚さと薀蓄の量に目を見張るに違いないだろう。その厚さと薀蓄の壁を乗り越えた者にだけ作品を最後まで読む資格が与えられるという点で、本作は読む人間を選ぶ類のものだといえる。
 メインのトリックについても賛否両論様々だが、一字一句読んでいて「アンフェアだ」と主張する者がいるならば、そういった者の姿勢こそアンフェアであろう。本作のトリックは限りなくフェアなのだ。だが、「アンフェアだ」と主張する者の気持ちも分からないではない。本作はそういった作品なのだ。

評価:★★★★☆

(初稿:2004/07/30)