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14 Til I Die

消されるな、この想い

ミステリレビュー「異邦の騎士」 著:島田荘司

異邦の騎士 (講談社文庫)

異邦の騎士 (講談社文庫)

御手洗潔シリーズ。

 全ての記憶を失ってしまった男。自分が何者かも分からぬ内に、街で出会った女性と幸せな生活を始める。ひょんな事から知り合った占い師・御手洗潔との交流も深まっていき、穏やかな日々が続くかと思われた中、次第に明らかになっていく自らの過去には凄惨な出来事が――?

 色々と都合よく事が動き過ぎている部分が多く、伏線かと思いきやその後全く何の説明もされないエピソードも存在するなど、完成度という点では決して褒められたものではない本作だが、そういったマイナス要素を差し引いても優秀な娯楽作品に違いない。
 残念な点は、御手洗シリーズの愛読者には、すぐに本作がどのような結末を迎えるのかが予測できてしまう事だろうか。更に言えば、御手洗シリーズをある程度通読していないと、本作の魅力が半減してしまうきらいもあり、物語以外の部分でジレンマを感じさせる作品とも言える。
 私的には、御手洗シリーズの中では最も好きな作品だが。
評価:★★★★☆
(初稿:2004/08/21)



改訂完全版の方はKindleストアでも販売している模様。