ミステリレビュー「レフトハンド」 著:中井拓志
- 作者: 中井拓志
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 1998/12
- メディア: 文庫
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第4回日本ホラー小説大賞長編賞受賞作
製薬会社内の研究施設で、致死率100%の危険なウィルス「レフトハンドウィルス」が漏洩する事故が発生。汚染され隔離された研究施設を占拠した研究者達の目的は何か? 「レフトハンドウィルス」の正体は?
所謂バイオハザード系の作品。文章表現はかなり微妙であるし、ストーリー展開も決して巧みとは言い難く、またウィルスに隠された真相についても予想の範囲を脱しない。だが、最後まで読みきって「面白い」と思わされてしまう「+α」がこの作品には溢れている。
「レフトハンド」というタイトルが表す作中のとある存在は、ホラー的にもミステリ的にも極上の畸形的趣向であり、その着想だけでも及第点に値する。
評価:★★★☆☆
(初稿:2004/08/17)