14 Til I Die

消されるな、この想い

ミステリレビュー「ソリトンの悪魔」 著:梅原克文

日本推理作家協会賞受賞。

さながら「SF海中冒険活劇」とでもいった所だろうか。*1
SFチックで斬新な設定の数々や、次から次へとトラブルが襲い掛かってくる息もつかせぬ展開は、中々に秀逸。登場人物についても、濃すぎず薄すぎず、程よい風味に仕上がっている。
中盤に待ち受ける主人公の「ある変化」については、好みの分かれる所か。ややジュブナイル風味ではあるが、未知の危険に勇気を持って自ら飛び込んでいく様は、古典名作SFの主人公さながら。

少々大味な感は否めないが、中々の優秀作。

評価:★★★★☆
(初稿:2004/09/12)


*1:「SFミステリ」等と明言してしまうと、梅原氏本人に怒られる可能性があるので、あえてジャンルを限定しない。